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HANGER RACK

左右の脚間をつなぐ貫(水平材)をなくすことを実現したすっきりとシンプルで美しいHANGER RACK。
ワードローブのスタイリングをより自由にできるよう、ミニマリズムを徹底的に追い求め、単純な構造だからこそ難しくなる安定感や強度の部分もクリアしました。
クリエイティブディレクター・竹内茂一郎が語る、HANGER RACKのSTORIESとは。
HANGER RACK

 

お気に入りの洋服たちで、自分好みのインテリアを。

マットブラックのスチールパイプがすっきりと美しく佇み、空間に自然と溶け込む、HANGER RACK。
一番の特徴は、左右の脚間をつなぐ貫(水平材)がないところ。

ミニマリズムを追求し、シンプルで落ち着いたデザインのHANGER RACKは単なるラックとして使うだけではなく、インテリアのアイテムとして今まで以上にもっと自由に空間をコーディネートすることができます。

 


PRODUCT STORY Vol.12

—— HANGER RACKを開発することになったきっかけは?

結論から言うと、私自身が思い描く理想のハンガーラックを開発し実現させたということになります。部屋に置いてあっても空間の邪魔をしないデザインというのがまず第一の理由ですね。

HANGER RACK

ロングコートなどもすっきりとかけられて、ラックの足元に靴やブーツ、さらには収納ボックスなどが置けるハンガーラックがほしかった、ということがデザインするきっかけになりました。

—— 一番の特徴、また、こだわった部分を教えてください。

ご覧いただくと一目瞭然ですが、HANGER RACKの足元には横貫(水平材)がありません。先にも述べましたが「空間の邪魔をしない」デザインを実現するため、とにかく見た目をシンプルにしたいということを優先させたかったからです。市販のハンガーラックを見ると、耐荷重や強度を保つためにも、直立するフレームをつなぐ横貫が下部のどこかに設けられているのが一般的です。でも、MOHEIMのHANGER RACKは、その横貫を取る、ということにチャレンジしました。

このデザインと構造を実現することによって、部屋に置いても空間にしっくり溶け込みます。また、ロングコートなどをすっきりとかけられるだけではなく、横貫がないことで、ラックの足元には靴やボックスなどを置く収納スペースを確保することができました。私自身が「ほしい」と思っていたハンガーラックを生み出せたと思います。

以前、LINDEN BOX の STORIESでも話しましたが、“見えないところに「隠してしまう」ものではなくて、部屋に出しておいてもサマになって「見せたくなる」もの”が、このHANGER RACKでも実現できたとも思っています。

HANGER RACK

—— この横貫がない構造を可能にするために、開発でどのような取り組みをしましたか?

やはり、横貫がないと耐荷重や安定感をどうやって担保するかが課題になります。ある程度の重さに耐えられるよう、フレームに肉厚で強度のあるスチールパイプを使用することでそこをクリアさせました。

そして、実はもう一つ工夫が必要になった部分があります。それはラックの足の部分…つまり床に接地する下部パーツの「向き」に関してです。

HANGER RACK 600 900 black comparisonHANGER RACK Packaging

HANGER RACKは3つのフレームパーツを組み立てることになります。Uの字をひっくり返した形の上部パーツと、2本の足の下部パーツです。フレーム下部をつなぐ横貫がないことのデメリットは、何も考えずに組み立てると足が互いに平行にならないというところです。

特にこのHANGER RACKはノックダウン式なので、組み立て方によって開きが出てしまうんです。この足の開き具合を調整できるよう、脚と上部のフレームを組み立てて接合するボルト穴部分に遊びを持たせました。こうすることで組み立てるユーザーの方自身が、足をそれぞれまっすぐ平行に合わせることができます。アナログで単純なことではありますが、この方法を取りました。

—— 構成するパーツが3つのフレームのみ、というところも、HANGER RACKがミニマルであることを証明しているように思います。

デザインも構造も、本当に「単純」と言ってもよいほどのミニマルさですね。とはいえ純粋に「単純」であれば、どうしても横貫が入る構造になってしまったはずです。それをなくしてしまうことにはこだわりぬきました。だからこそ、スチールがシンプルにたたずむ、主張しないけれどスマートに空間を演出するHANGER RACKを完成させることができたと思います。

—— 接地部分(足)にはキャスターもつけられるんですね。

接地部分にはしっかりしたアジャスターがデフォルトで取付られていますが、オプションとして別売のキャスターを用意しています。アジャスター部分をキャスターに交換して使います。

HANGER RACK

このキャスターについてもこだわっていて、見た目も動きも重視したものをチョイスしました。実は、TROLLEYに使われているキャスターと同じものなのですが、TROLLEYの開発当時たいへん時間をかけて最適なものを探したんです。当時「スムーズに動くのはもちろん、フレームのカラーにもマッチし、できるだけミニマルなもの」を選びましたが、このキャスターがHANGER RACKにもあつらえたようにぴったりで。しっかりとした大きさがありながらもスマートで、本当になめらかに動きます。このキャスターをつけると、HANGER RACKの移動がとても楽になるので、部屋の模様替えなども気軽にできるようになって便利だと思います。お掃除のときにも嬉しいですね。

—— HANGER RACKをどのように使ってほしいですか?

徹底的に不要なものを削ぎ落したミニマルなデザインですので、アパレル関連のショップやエキシビション、イベントなどでも活躍するのではないでしょうか。店舗や展示会の什器として、品よくスマートに主役を引き立てる役割を果たすはずです。

HANGER RACK LINDEN BOX

HANGER RACKは単なる収納ツールとして使うのではなく、インテリアや空間を彩るアイテムとして活用してもらいたいですね。お気に入りのシャツやジャケット、コートなどをかけて「見せる」ことで、自分好みのインテリアコーディネートを実現できると思います。写真でご覧いただいてもわかると思いますが、LINDEN BOXとの相性もよく、組み合わせて使うのもいいですよ。