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STONEWARE

外側の素焼きのようなマットな手触りと、豊富な種類とサイズ、カラーバリエーションでMOHEIMのアイテムのなかでも高い人気を誇るテーブルウェア、STONEWARE。
ベトナムの職人の手で生み出される、素朴な風合いすら美しい食器たちの魅力と商品化されるまでのストーリー。
STONEWARE

 

STONEWAREで自分の好きな色を取り入れて、
日々の暮らしにささやかな幸福感や、ほんの少しの高揚感を

いつもの景色を華やいだ空間に変え、気分をふわりと高めてくれる。
食事はもちろんティータイムやコーヒーブレイクを、
充実した時間にしてくれるテーブルウェア

 


PRODUCT STORY Vol.2

——まず「せっ器」という素材について知りたいのですが…。というのも、「せっき」という言葉だけを聞くと、どうしても「旧石器時代」とかの「石器」が思い浮かんでしまいます。

確かに、「石器」じゃない「せっ器」は、あまり聞き慣れないものかもしれませんね。

「せっ器」は漢字にすると「火」へんに「石」と書く漢字があてられ、「炻器」と書きます。「半磁器」とか「焼締め」などと呼ばれることもあって、1100~1250℃の高火度で焼成される焼き物で、陶器と磁器の中間的な性質を持っています。

ちなみに、陶器は800~1200℃前後の温度で、磁器は陶器より100℃ほど高い1300℃前後の高温で焼き上げていくんだそうです。こうやって見ると、焼成の温度もまさにせっ器は陶器と磁器の中間ですね。

日本の有名な焼き物で言うと、信楽焼や備前焼、常滑焼などがせっ器にあたるそうです。ルーツを辿ると、古墳時代の須恵器が源とされているようです。

—— 信楽焼や備前焼がせっ器なんですね(全部陶器だと思っていました…)。そもそも、STONEWAREの開発は、どういう想いから始まったんでしょうか?

もともと、マットな質感のテーブルウェアをつくりたいと思っていたんですが、調べていくと日本ではかなりハードルが高いということがわかったんです。

もちろん日本でも、作家さんが一つひとつつくるもので、マットなテクスチャを持つものはあるんですが、色が限られるということもありましたし、手ごろな価格帯で量産するというのが難しいと知りました。

でも、2017年の春、リサーチのためにベトナムに行ったときに、奇跡的にも我々の希望をかなえてくれるところとの出会いがあったんです。半ばあきらめていたテーブルウェアの開発と生産が、一気に動き出すことになりました。

—— その運命的な出会いで実現させることができた、STONEWAREの一番の魅力を教えてもらえますか?

まず、一番こだわったのは、外側の素焼きのようなマットで素朴なテクスチャです。一般的な瀬戸物は、全体を上薬(釉薬)で塗って焼き上げることがほとんどですが、STONEWAREは外側には釉薬を使用しないことで、こだわりの素材感を実現させました。マット調に仕上げることができる塗りもあるんですが、その方法だとどうしても素朴さが失われてしまうんですよね。

自然の土や石を思わせるような外側の肌触りとは対照的に、内側は釉薬を塗っているのでグロッシーな光沢が楽しめます。内側の仕上げを外側と変えることで、コーヒーや料理から生じるステインの影響も一般的な陶磁器と変わりません。

——カラーも6色あって、バリエーションが豊富ですね。

そうですね。スモーキーで優しいペールトーンも取り入れたこだわりのカラーバリエーションです。「全部集めたい!」と思わせるような、心くすぐる色がそろっていると思います。できるだけ多くの色を取りそろえることで、STONEWAREで日常生活に彩りを添えてほしい、という想いも込められています。

上薬とも言われる釉薬を掛けたり塗ったりすることで色をつけることが、焼き物の着色方法としては主流となっているのですが、STONEWAREは素材となる土自体に色を練り込んで焼いています。この手法にすることで、先にも言ったあたたかみを感じられる触り心地のテクスチャが実現するんですね。これもベトナムの工房に出会えて希望を叶えられたことの一つで、テクスチャと負けず劣らず大切な要素です。

あと、全体的なSTONEWAREの雰囲気として、テクスチャやカラー、フォルムに表現されているほっこりとした味わいも、ベトナムの職人の手づくりならではの魅力と言えると思います。

—— カラーバリエーションだけじゃなくて、サイズ展開も豊富です。

PLATEは150、210、260の3種類のサイズから、MUGは250、330、380の3種のサイズから選べます。

PLATEは直径、MUGの数字が表すのは、MUGの一番上部から5~10mmくらいのこぼれない程度に飲み物を注いだときの容量になっています。TUMBLERもSとLの2種展開で、Sサイズの方はそば猪口のように使ってもいいかもしれませんね。

豊富にサイズを展開することで、使う人自身の好みのサイズや用途に合わせて選ぶ楽しみも広がるんじゃないかなと思っています。実際に使っていただいている人からは、「サイズ感がとてもよくて、使いやすい」という声もいただいていて、良かったなぁ、と。

—— STONEWAREはどのようなニーズがありますか?

いくつか例をあげると、2020年7月オープンの「AC ホテル・バイ・マリオット東京銀座」でMUGが採用されました。

ほかにも、誰もが名前を知っている高級リゾートホテルや、世界的に有名な一流ホテルなど、多くの宿泊施設でTUMBLERやMUGといったSTONEWAREが導入されています。

京都にあるホテル「MOGANA」では、MOGANAのオリジナルのロゴを入れてカスタマイズしたTUMBLERが客室に置かれています。

STONEWAREはコンスタントにさまざまなところから引き合いをいただいています。各方面から注目されて、しっかり認知されていると実感できて嬉しいです。

—— 最後に、ディレクター/デザイナー視点でおすすめする、STONEWAREの使い方はありますか?

テーブルウェアをそろえるときに、自分の好きな色で統一しようと考えることが多いんじゃないかと思うんです。たとえば、自分はピンク、パートナーはグレーで、MUGとBOWLとPLATEを1つずつ…みたいな感じで、セレクトしますよね。

でも、STONEWAREは各アイテムを違う色でミックスしても、意外としっくりくるんです。6色のカラーバリエーションがどれもステキだな…ともし思ったのであれば、複数のアイテムで異なる色をあえてチョイスしてみて、その調和を愛で るというような楽しみ方もおすすめしたいです。