WATER BOTTLE
蓋と飲み口の素材は、木材由来でエコフレンドリーなバイオマス複合樹脂を使用。一つひとつ表情が異なり、素朴で自然な風合いが心地よさを演出します。
クリエイティブ・ディレクターの竹内茂一郎が量産に至るまでの道のりと開発秘話を語ります。

いつでも、どこでも。
手元に置いて日々使いたくなるWATER BOTTLE。
シンプルながら、丸みがやわらかな印象のデザインで、心地よさを感じる質感と、カラーにもこだわりました。
日々のお出かけのときだけでなく、オフィスや自宅でも使いたくなるボトルです。
本体の素材は、BPAフリーで安心・安全なトライタン(Tritan™)。
蓋と飲み口には、木材由来でエコフレンドリーなバイオマス複合樹脂を使用しています。
PRODUCT STORY Vol.14
—— WATER BOTTLEのデザインコンセプトを教えてください。
アウトドアやジムに行くときだけでなく、「日々のお出かけやオフィスでも使いたくなるウォーターボトル」というのが第一のコンセプトです。
ウォーターボトルの需要が高まって、さまざまなウォーターボトルが市場に出ていますが、そのほとんどが、アウトドア向け、ワークアウト向けのデザイン、つまり、“スポーツアクティビティ寄り”に作られたものがほとんどだと感じています。
MOHEIMのWATER BOTTLEは、よりタウンユース、オフィスユースとして、気軽に使えるもの、また、インテリアにもなじむものであることを考えてデザインしました。
バッグからの出し入れが楽しくなったり、オフィスのデスクの上に常に置いておきたくなるようなデザインのウォーターボトルがほしいと思ったのがきっかけです。
これまでのウォーターボトルには見られないようなカラーリングと素材感、やさしいシルエット/フォルムのデザインに仕上げました。
シンプルながら丸みがかったやわらかい印象のデザインで、心地よさを感じる質感と、カラーにもこだわりました。
—— 一番の特徴、また、こだわった部分はどういったところでしょうか。
今回特にこだわったのは蓋と飲み口の部分です。
成形する際に浮かび上がる独特の模様が特徴的で、マットな肌触りも活かしたいと考えました。すべて模様の出方が異なるので、一つひとつ表情が違うのも魅力です。
実はこの模様が美しくしっかり出るように、成型工場でかなり試行錯誤をしました。個性的ながらも、自然な風合いになるよう、開発に携わるメンバー全員がしっかりと向き合って取り組んでくださいました。
この素材は、木材由来のセルロースファイバーが55%含まれるエコフレンドリーなバイオマス複合樹脂。石油由来プラスチックの使用量を大幅に削減でき、処分する際も石油由来樹脂と比較するとCO2排出量が少ないことも考慮しました。
本体部分の素材は、BPAフリーで安心・安全なトライタン(Tritan™)。ガラスのように透明感があり、耐熱性・耐衝撃性にもすぐれ、におい移りもしにくいのが特徴です。
—— デザインと相まって、カラーもMOHEIMらしい展開ですね。
カラーは全部で5種類を取り揃えました。green × coral、gray × darkmoss、pink × beige、mustard × gray、black × amberのMOHEIMらしいバイカラーに仕上げられたと思います。自分の好みの組み合わせのカラーリングを見つけて、使ってほしいですね。
本体もあえてクリアのものは使わず、5種類とも違うカラーで、蓋と飲み口の色とよいコンビネーションになる色を取り揃えました。また中にいれる飲み物をカモフラージュできるように濃い色のものもつくりました。
本体も、蓋と飲み口も、理想の色にするために幾度となく調色を繰り返しました。バイカラーが特徴でもあるこのWATER BOTTLEは、組み合わさるそれぞれの色味が非常に重要なので、色の配合や調色には何度もトライし、妥協せずに量産ギリギリまで取り組みました。
—— 開発は妥協することなく、かなり時間をかけて進めたようですが、苦労したところなどはありましたか?
ディレクターの私もそうですが、開発担当のスタッフと一緒に、製造工場に何度も足を運び、製造を担当してくれる方々と懸命に開発を進めました。
製造工場は長年プラスチック射出成形加工の技術を磨いており、家庭用品から工業製品まで幅広い製品を手掛けてきた経験とノウハウで高い品質を誇ります。関わるスタッフの方々は数えきれないほどの試行錯誤をし、一丸となって取り組んでくださいました。このWATER BOTTLEも、製品のすべてのパーツを一つひとつ人の手で丁寧に仕上げ・検品を行っていて、機械だけでは実現できない高い精度と品質を追求してくれています。
例えば飲み口のパーツ。成型時、金型からはずすときに小さな穴が小口にできてしまうことに頭を悩ませていました。でも、製造スタッフのノウハウと工夫でその穴を完全になくすことができ、美しさを保つことができました。
—— 細かな部分にもこだわったことがわかります。パッキンも取り外せるんですね。
衛生面で考えても、蓋と飲み口のパッキンは容易に取り外しができ洗えるものがいいとスタッフからも意見がありました。
しかし、このパッキンについても、取り外しがしやすいように突起を追加するなど形状も考え抜きましたし、一番重要な機能である水漏れを防ぐために、初回試作のものから、より肉厚なものに改善するなど、時間をかけて開発しました。
新商品をリリースするためには時間との闘いもありますが…、よりよいもの、完璧なものに仕上げることを目指して、チーム全員が品質に関してはあきらめることなく進めましたね。
—— パッケージもWATER BOTTLEに合った雰囲気のものですね。ここにもこだわりがあるのでしょうか?
実はこの素材、パームヤシの実からパーム油を搾った後に残る「パームヤシカサ」をパルプ化、原材料に配合して製造した紙を使用しています。
油を搾った後のヤシカサのほとんどは廃棄されているのですが、廃棄処理せず放置したままにするとメタンガスが発生するそうです。また、燃やすにしても二酸化炭素が発生しますよね。こういった環境への負荷を減らし、木材パルプの代わりになるので森林資源の節約にも貢献するのがヤシカサ混抄紙です。
このパッケージはナチュラルな色と風合いなので、MOHEIMというブランドにも、WATER BOTTLEにもぴったりだと思っています。何より、サステナブルな素材であることも嬉しいですね。
—— WATER BOTTLEをどのように使ってほしいですか。
私自身が以前から保温性のないウォーターボトルを使っていたことがこの「WATER BOTTLE」をデザインするきっかけの一つになりました。
最近では、オフィスや街中で気軽に使えるウォーターサーバーが増えています。また、マイボトルの利用を推奨し、無料で給水できる場所を紹介するアプリやサービスも登場しており、外出先でも手軽に水を補充できるようになりました。
ぜひMOHEIMのWATER BOTTLEを自分のお気に入りに加えて、お出かけのお供にしてください。そして、いつでもどこでも、あなたのそばに置いてこのボトルを使っていただけたら嬉しいです。
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