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SHOEHORN vol.2

自然由来のやさしいテクスチャ。職人の手によって作られるやわらかな曲面。
一枚の薄い板状のバルカナイズドファイバーを手仕事で丁寧に成形して作り出されるSHOEHORN。
2026年にはショートサイズがラインナップに加わりました。

スムーズにかかとをおさめることができるのは、熟練の職人が手作業で仕上げているからこそ。
かかとに沿うように曲げられた曲面、持ち手部分に至る角度や重なりまで、一本一本妥協せずに作られています。

開発の苦労や試行錯誤について、当初より「安達紙器工業」でSHOEHORNの製造に携わっている方にインタビューしました。
SHOEHORN vol.2

 

自然由来のやさしいテクスチャ。職人の手によって作られるやわらかな曲面。
SHOEHORNは、一枚の薄い板状のバルカナイズドファイバーを手仕事で丁寧に成形して作り出されています。

今回新たにリリースするのは、コンパクトなショートサイズ。
フックに掛けておくこともできるので、自宅の玄関のほか、ホテルの客室や店舗のフィッティングルームなどにも最適です。

 


PRODUCT STORY Vol.19

—— 安達紙器工業さんの歴史と、SHOEHORNの素材であるバルカナイズドファイバーについて教えてください。

当社は1942(昭和17)年創業で、バルカナイズドファイバーなど特殊紙の加工を行う会社ですが、もともとは呉服商でした。
当時、バルカナイズドファイバーは、いまのプラスチックのような位置づけで、弾薬を運んだり、燃料を入れて戦地に送ったりすることに利用されていました。その加工業者を国が奨励していたのをきっかけに、この素材を扱うようになりました。

ちなみに、バルカナイズドファイバーは電気絶縁体などにも使用されていますが、剣道で使う胴当てもこの素材から作られているんです。かつてはこの素材でランドセルも作っていたんですよ。

——バルカナイズドファイバーという素材自体は結構古くからあるものだとは伺っていましたが、戦時中に利用されていたとは知りませんでした。そんなバルカナイズドファイバーの魅力を教えてください。

正直に申し上げると、バルカナイズドファイバーは扱いにくい素材なんです。
紙なので油を使って加工ができないですし、湿気・乾燥の影響で変形してしまうこともあります…。でも、商品になったときの素材が持つ風合いや質感は独特のもので、プラスチックなどにはないあたたかみがあります。

—— SHOEHORNを開発する以前からこの素材にディレクターは注目していました。素材のテクスチャと、軽さや堅牢性という特徴がとても魅力で、この素材を使って何かを作れないかと考えていたんです。

2019年に私たちがバルカナイズドファイバー製の靴べらを展示会に出展していたとき、お声がけくださったことを覚えています。それがMOHEIMのSHOEHORNのはじまりだったんですね。
ただ、2020年に入ると、コロナの影響もあり、直接会って相談することができなかったこともあり、試作にはかなり時間がかかりました。ただ、それだけでなくSHOEHORNのデザインにこめられたこだわりをしっかり実現するまでにかなり時間がかかった、というのも事実です。

—— 開発時に苦労したところを教えていただけますか?

靴べらをU字に曲げる加工は全く問題なかったのですが、持ち手部分を筒状に丸くするという仕様は行ったことがなかったので悩みました。

ゴムバンドを巻いて丸くしようとすると跡が残ってしまいますし、ゴムチューブで全体を巻いてみると人によって巻き加減の強弱があって安定しないんです。
次に、塩化ビニール製のパイプで丸めようと試みましたが、今度は重なる部分の状態が見えないからうまく丸められない…。

苦労していると「これでうまくいくのではないか…?」と、MOHEIM側で製作した透明アクリル製のパイプを提供してくれました。
これでやっと解決かと思いきや、今度はパイプの開口部に当たる部分が開こうとして跡がついてしまうんです。

もう「こんなの無理です」って何度も断ろうかと思いましたが、MOHEIMの提案で、パイプの先をラッパ型にすることで跡はつかなくなり、ついにこのハードルをクリアすることができました。

 

—— 丸い持ち手から、ゆるやかに有機的な曲線を描いて靴べら本体に至るここの部分は、SHOEHORNのデザインのキモでしたから、展開図は何度もミリ単位で修正して曲げてもらいました。このアイテムを作ってくださっているみなさんには、本当に感謝しています。

お互いにあきらめず、このデザインが実現できて本当によかったです。バルカナイズドファイバーという素材そのものの魅力が伝わる商品に仕上がったと思います。

—— MOHEIMとしても、バルカナイズドファイバーは靴べらにぴったりの素材だと思って開発しました。軽くて柔軟性があり、落としても破損する心配はないですし、その上、素材そのもののあたたかみも感じられます。靴べらとしての機能性も高めるので、本当に最適な素材ですが、みなさんの協力のおかげでそのよさを最大限に出すことができたと思います。

MOHEIMのデザインはシンプルなところ、加工をしすぎないところが素敵だなと感じています。
SHOEHORNについては、2019年から開発を始めて、リリースしたのは2022年7月でした。その当時、初回のロット生産をして、やっと完成品を出荷することができた!と喜んでいましたが、当時はリピートオーダーはないんじゃないかな…と思っていました(笑)。
でも、今も次々と途切れることなくリピートオーダーがくるので驚きつつも、お客様に喜んでいただいているんだなと感じています。
2026年にはshortタイプのリリースで展開が広がって、人気商品であることを実感しています。

 

—— 土台がなく、コンパクトなショートサイズは、場所を取らず下駄箱の中にしまっておいたり、玄関先のフックに掛けておいたりできるのがいいところだと思います。ホテルの客室や店舗のフィッティングルームなどでも重宝されると思うので、使うたびに手になじむ、この心地よい靴べらのファンが増えるといいなと思っています。これからも製造をどうぞよろしくお願いいたします。

 


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