SILHOUETTE
捨てられるはずのボトルにかぶせるだけで、花瓶へと変身させる SILHOUETTE。
簡単に、そして、サステナブルに。花のある日常を。 かぶせるだけで、ペットボトルを花瓶へと変身させる カラフルなバイカラーが目を引くフラットなニット生地。 繊細かつ高い技術を随所に取り入れて実現した、 立体的なシルエットや遊び心のあるサイドギャザーが、 空間を明るく演出してくれます。
PRODUCT STORY Vol.7
—— まず、TRICOTÉ * とのコラボレーションについて聞かせてください。
独自の高い技術を活かし、さまざまなニット素材のアイテムを生み出しているTRICOTÉとご縁があって出会うことができたんです。ソックスやストール、セーターから、クッションカバー、バッグにいたるまで、伸縮性があって強度もあるニットを使いながら、デザイン性の高いアイテムを生み出しているTRICOTÉ。そんな素敵なブランドと一緒にコラボレーションできないか、という話は本当に嬉しく思いました。
- * TRICOTÉとは
- 「ニットの温かさをもっと日常に」という想いから 2011年にスタートしたブランド。フランス語で「編まれた」という意味を持つ言葉でもある。提案するのは「輪と輪の連続から成るニットのように、日々繰り返される何気ない日常を、鮮やかな色柄と共に丁寧に編み込んで行く。そして自らの手で暮らしを彩り、想像する喜び」。ニットの生地開発からテキスタイルデザインまで、オリジナルのものづくりにこだわり、全てのアイテムを日本国内で生産。様々なアイテムを通して、普遍的で心豊かな暮らしを追求し、その価値を紡いでいきたいというコンセプトを持つ。 https://www.tricote.net/
—— ペットボトルにかぶせて花瓶にしてしまうというアイテムは、今までありそうでなかったのでは…と思うのですが、SILHOUETTEを作るきっかけは何だったのでしょうか?
TRICOTÉとコラボレーションを進めることになり、さまざまな商品やサンプルを見せていただきました。そのなかで、私が最も惹かれたのは、瓶にかぶせるカバーのサンプルです。一目見て「これだったら花瓶にも使えるのではないか」と思いつき、それと同時に、ガラス製の空き瓶ではなくても、ペットボトルにも使えるというアイデアが浮かびました。
かつ、ニットの素材感がとても素敵でユニークなので、この生地を使うことでラグジュアリーでもなく、かといってありふれたものでもない、特別なものができると感じました。
さらにフラットパックにできるということも、私にとってはかなり大きいメリットになりました。自宅で使うだけでなく、誰かに気軽にプレゼントしたいと思ってもらえるアイテムにしたいという思いがあったからです。
——「サステナビリティ」や「持続可能性」、「SDGs」といった言葉がよく議論されるようになっていますが、そういったビジョンもふまえて開発された商品なのでしょうか? このような観点から込められた意図があれば教えてください。
ペットボトルは私たちにとって非常に身近なものです。ほとんどの人がペットボトル飲料を日常的に購入・消費していて、飲み物を飲んでしまうと空になった容器はゴミとして捨てられています。当然リサイクルされる素材ではありますが、捨てることなく、自宅でも生まれ変わらせられれば…という思いが湧いてきたんです。
本来廃棄されてしまうものを、デザインの力で素敵にリユースすることができたらいいなと考えました。
—— ニット生地に使われている素材は、普通のニットやテキスタイルには使われないものだそうですね。
これはTRICOTÉ独自の技術で生まれたニット素材で、特殊なゴムの糸を使っています。従来、衣類のウエスト部分などに使われることの多いゴム、と言えばイメージできるでしょうか。ニットと聞くと、ウールなどを使ったやわらかくてふんわりしたテクスチャを思い浮かべると思うのですが、SILHOUETTEで使っている素材はハリとコシがあり、同時にしなやかさも持ち合わせているユニークなマテリアルです。しかもゴムの特性から伸縮性があるのはもちろん、強度も保っているという点も大きな特徴です。
—— ほかにも高いニット技術が感じられるポイントを教えてください。
バイカラーで、ボトルにかぶせる部分は空洞、サイド部分はくしゅっとしたギャザーになっていて、対照的な2つのパーツから成り立っている…つまり、2種類のニットを縫い合わせていると思われるかもしれません。でも、実はこちら、1枚のニットとして編まれたものなんです。これはTRICOTÉならではの非常に高い技術だからこそ実現するものです。
1枚のテキスタイルのなかで、色だけでなく表情も変えられるというのは、とても面白いと感じました。TRICOTÉの技術であればそれが実現できると聞き、ぜひこの技をアイテムに取り入れたいと思ったんです。
—— デザインのポイントはどういったところでしょうか。
先にも挙げたのですが、2つの異なる編み方が1枚のニットとして仕上げられる高度なTRICOTÉの技をデザインに活かしたいと考えました。シルエットになる(ボトルにかぶせる)部分は、ギャザーの面とは違って、ポコポコとした小さなふくらみが感じられるテクスチャに仕上げられています。
もう一つのポイントとなったのは、遊び心のあるくしゅくしゅ感が印象的なサイドギャザーです。ペットボトルのシルエットを際立たせるためには、どうしてもこのギャザーが必要だと思いました。
ただし、このギャザー部分の仕上げですが、普通に編むだけだと、どうしても上と下のエッジ部分に内側に引っ張られる反りが出てしまいます。ですから、はじめは正面から見るとなで肩を思わせる形状になってしまいました。そのフォルムがイメージと違っていたので、ギャザー部分を少しだけ上向きになるように改良したんです。結果として、リボンやちょうちょをイメージさせるようなデザインに仕上がり、SILHOUETTE のチャームポイントになりました。
—— SILHOUETTEというネーミングにしたのはなぜですか? そこに込められた意味はなんでしょうか。
バイカラーなので、平面のときからボトルの形…つまりこのアイテムが「生まれ変わらせる」もののシルエットが目に見えています。このシルエットによって「あ、ペットボトルにかぶせればいいんだ!」と、見る人にすぐに使い方を想起させることができます。
ニット素材は基本的に「平面」です。さらに、SILHOUETTEのパッケージは真空パックを採用していて、さらにそのフラットさを強調しています。本来であれば捨てられてしまうものにかぶせることで、フラットなニットが立体に変わり、さらにシルエットが浮かび上がる…そんな一連の流れを感じてほしいという思いから、このネーミングにたどり着きました。
—— 他のMOHEIMアイテムはペールトーンの優しい色味が多いですが、この SILHOUETTE は 3 種類ともビビッドです。その理由はなんでしょうか?
SILHOUETTE は花を活けるツールとして使われることから、存在を目立たせるだけではなく、「際立たせたい」と思いました。用途を考えると、インテリアのアクセントとなるような色味にしたほうがいいんじゃないか、と考えたんです。
さらにバイカラーにすることにしたので、それぞれが互いに引き立てあう色づかいにしたいな…と。全く違う色を組み合わせることで、バイカラーが生み出す良さや、色の違いを鮮明にすることでより魅力的な存在感を生み出すことを意図しました。
—— パッケージもニットを単純に袋詰めするのではなく、真空パックにしています。ここにもこだわったのでしょうか?
先にも少し触れましたが、真空パックにすることでニット素材という平面的なものが、よりフラットになるということを強調したかったというのが理由の一つです。
かつ、このパッケージであれば持ち運びの際にかさばりません。バッグのちょっとしたすき間にもすっと収まるので、おみやげとして持ち帰りやすい商品に仕上げました。しかも、折れ曲がったり、くしゃくしゃになってしまわないことも真空パックならでは。ギフトとしてプレゼントするときにも、気を遣わずにそのまま渡してもスマートだと思います。
—— SILHOUETTEならではの長所はほかにもありますか?
基本的に、花瓶は陶器やガラス製のものが多いと思います。小さい赤ちゃんや子どもたち、ペットがいるおうちでは、落とすと割 れてしまう心配があるフラワーベースを置くのをあきらめるという方も多いのではないでしょうか。SILHOUETTEはニット製品ですから、倒したり落としたりしても破損することはありませんので、ケガの心配がない点は長所だと思います。
また、一般的な花瓶は使わないときにしまっておこうと思っても、意外とかさばってしまいますが、SILHOUETTEならフラットなニットですから、引き出しにすっと収納するだけで場所も取りません。そんな、普段はあまり気づかないポイントも、メリットになっているはずです。
—— 最後に、デザイナーとしてSILHOUETTEのおすすめの使い方があれば、提案してください。
陶器やガラスの花瓶は、つるっとして冷たい硬質な印象を受けるものが多いと思いますが、SILHOUETTE はニット素材ですから、あたたかみを感じられます。さらに、サイドギャザーの部分に、どこかほっこりとした、独特のかわいらしさを感じてもらえるはずです。フラワーショップで手に入るお気に入りのお花を挿すだけで、お部屋を明るく、いつもより華やかに演出してくれます。ほかにも、散歩の途中でふと目についた草花を挿してみてください。日常で見かけるシンプルな自然の草木や素朴な花でも、SILHOUETTE に活けることで特別なものになり、空間を引き立ててくれると思います。
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